テレビのニュースで『ウィル・スミスのビンタ騒動』があっていた。
各国の賛否別れる意見が流れる中、小学校三年生の娘が自分の考えを話してくれた。
「病気で苦しんでる人を笑っているのも悪いよね」
言葉はとても短いけれど、子供なりに起きたことをテレビのニュースで見て理解しているように思えた。
暴力は決していけない事と分かったうえで、子供でも言葉の暴力について考えて、思いを伝えてくれるようになったことに、私は母としてとてもうれしく思った。
小学校では「道徳」の時間で色んな事を習ってくる。
ここ2年くらいは、コロナの流行もあり、学校ではコロナになってしまった場合に差別のないように何度も授業やお話があり、家族へも子供から伝えるように指導があっていた。
コロナを限定することなく、様々な病気や、個々の問題について差別のない世の中を作っていく教育がなされているのだと思う。
そんな中、コロナもかなり身近まで近づいてきたと感じる出来事が娘にもあった。
担任の先生がコロナの陽性が判明したのだそうだ。
先生は2週間ほどお休みをされ、復帰された時、朝の活動で一人の生徒さんが「どうしてお休みしていたの?」と質問したらしい。
その時初めて、先生が実はコロナだったことを教えてくれたらしい。
そして、先生は同時にこれから先、色んな事情でお休みすることが生じたお友達に、簡単に質問をすることがどんな意味を持つのか考えるように仰ったらしい。
人それぞれのとらえ方があり、「どうして?」「なんで?」と思うことも子供らしくて大切なことだと思うけれど、聞かれた側の気持ちを考えるように、考えられるように指導してもらえる年齢になったんだなと思った。9歳。
テレビのニュースで見る「ウィル・スミスのビンタ騒動」は、暴力をふるった側が悪いとしても、ジョークでジョークにされた側の人の気持ちを傷つけてよいわけではない。
ジョークであれ、心配する言葉がけであれ、その時その場の相手のとらえ方はその都度違う物だろうし、こちら側にもなかなか理解できないものも多くあると思う。
だけど、大勢の前で発する言葉は、やはりターゲットになる側の人の気持ちが分からない状態で発するべきではない事を教わった気がする。
とても短いけれど、人として成長している姿を見せてくれた9歳の娘は、そのあとYouTubeでお気に入りの芸人さんのコントをゲラゲラ笑いながらいつも通りの日常を過ごしている。